2016年5月28日土曜日

非ユークリッド幾何

高田馬場なう。早稲田整数論セミナーに参加するため。足立先生のお話だったが、「あるモデルで証明できれば公理から証明できるか?」という非ユークリッド幾何のお話。うん、難しい。が、得るところ大であった。例えば上半平面モデルで証明できたら、それは任意の非ユークリッド幾何で成り立つ命題か?ということ。πとか出すのはルール違反で、これは任意の体でなく R 上でないといけない。πの変わりに「2直角」というはあり。うむ、そうか。面白いなー。もう一回ブルーバックスの非ユークリッド幾何の本を読まないといけない。が中々時間が取れない。今日もおっちゃん(通称)に無理難題をねじ込まれた。うーん、いつかはやらないといけないんだろうけど、荷が重いなー。まあ最悪向こう3年位は猶予があるようなので、その間に勉強。

携帯電話の電池残量が30%を切っていた。これはすぐにも電源が落ちる、という事象なのは最近嫌と言うほど味わっている。なので宿に帰るまで携帯電話にはノータッチ。宿に帰って充電しながら face book を見ていたら、卒業生数名が何やら複素数の掛け算の話で盛り上がっている。で突っ込みを入れてみた。「そもそも複素数を複素数で割る、ってどういうこと?」と。これは飯高茂先生のご本に書いてあった疑問の一つで、高校生は何故やりすごせるんだろう?疑問を持ったけど教えてもらえない学生がむしろ数学嫌いになるのかも知れない。R[X]/(X2+1) を複素数として教えるのはむしろ容易な気がするんだが、そもそも高校数学では、R[X] がユークリッド環であることを教えられていない。剰余と余りの存在くらいは教えられてるだろうって?いえいえ、高校の教科書では定義環を全然明確にしていない。R 上の多項式を (X+i)(X-i) で割った時、商と余りは R 係数で取れるんだろうか?とか、剰余の定理は任意の可換環で成り立つんだろうか?とは大学で講義をしながら持った疑問。どちらも大丈夫なことの証明は大学3回生に教えてすっきりした。高校の教科書は色々な所がいい加減である。

昔京大の入試で、現代数学で言う「(X32) は Q[X] の極大イデアルである」という問題が出されたが、それは剰余の定理の商と余りが Q 係数に取れる、ということを認めないと解けない問題なので、高校の範囲外である。こんな入試問題はいくらでもある。高校の先生はそういうところをちゃんと理解して、大学にクレームをつけなあかん。

いかん、酔って喋りすぎた。もう2時や。寝る。