2015年9月30日水曜日

Hasse-Minkowskiの定理

水曜日の講義は今日から。でちょっと疲れが溜まっていて、よく寝た。10時頃目が覚めた。「うーん、眠い、30分に成ったら起きよう」と思って冷静に考えたら、10時40分から代数学 I の講義。こりゃいかん、というわけで慌てて起きて、急いで出発。事無きを得る。で午後は13時から講義だと思って、講義室に行ったら冷房が回っていて電気がついているだけで、誰も居ない。20分くらい待ったろうか、誰も来ない。登録者0かなこりゃ、と思って事務に電話してみたら、18名もいるとのこと。でよく聞いてみたら、講義は14時40分からとのこと。こりゃまいった。今日はどじばかり踏んでるな。まあ来週から気をつければいいことで、問題は無し。

ということで14時40分に再び講義室へ。沢山いる。そうか、この学年か、ということで見たような学生が沢山いる。で講義開始。大学院の講義なので、多少無茶やっても良かろう、ということで、隔年で代数体の整数論と p 進体をやっているが、今年は p 進体の番。Serreの「数論講義」のように始めるのは絶対無理なので、とりあえず形式的冪級数として定義しておく。で一通りアウトラインを話して、来週から抽象論。今日は p 進数を形式的に定義しただけで終了、でもいいんだが、何か応用が無いと面白くないだろうと思って、Hasse-Minkowkiの定理のステートメントだけ述べておいた。昔4回生の代数が前期、後期とあった頃は、一年掛けて証明を完全に話せたんだが、半期では無理なので、「証明は難しい」とだけ書いて終了。まあ取りあえず、「至る所 local = global」とか言うことも話しておいた。どの口がそれを言うか、という感じだが、まあいいでしょう。

14時40分からの講義は久しぶりだったんで、何時終了か感覚が戻らなくて困った。話し終わったところで16時くらいだったので、10分ある。ということで、一昨日の足立先生の twitter のことをちょっと話した。どんな内容だったかと言うと、有理数体の不完全性(肯定も否定もできない命題の存在)というのがあって、それの証明に Hasse-Minkowski の定理を使う、で知人が送ってくれた論文の証明は何ということも無く読めたんだが、それが五里霧中の合同式の計算ばかり。ということでヒルベルト記号の計算にすればもっと見通しが良くなるはず、ということでやり始めたら深夜3時、証明は3分の1程度に成った、とのこと。「久しぶりに整数論屋に戻った気分だった」とのこと。どうしてどうして、先生は健在である。もう74歳に成らんとしている足立先生だが、見事である。小生も老後はかくありたい。

講義終了後は会議。今の学科長は大学の要職をずっと勤められていた方なので、会議を短くするすべをよーく心得ていらっしゃる。結論が出無そうな議論がいくつかあったんだが、そういうのをスパッと切って次の議題へ移るうまさたるや、舌を巻いた。あーじゃなきゃうちでは生きていけんね。おかげでこれくらいの時間に住処に帰れた。あの議論を全部まとめずに発散させていたら、もう30分や1時間は掛かったかも知れん。ありがたい。ということでこれから呑みに行ってきます。