2014年12月26日金曜日

今日は(と書いている側から昨日ね、になってるかもしれん)

書き始めた時点では、今日は「北陸数論研究集会」の1日目。今回は「単数」の話だったはずなのだが、1人だけ(と言うか、共同研究者も入れれば2人)単数と関係のない話だった。それが面白いの何の。主に「分布」の話だったのだが、「双子素数問題」の類似が提唱されたりするなど、ちゃんとした方向を持って実験すると、面白そうな予想が出てくるものだ。その話で、「へー」と思ったのが、Heckeの「量指標」というのは元々ガウス整数環の素数分布から起こっている、という話。今では整数論にとって欠かせない理論も、元は大したことじゃないことから生まれているんだな、というのは新鮮だった。昔いわゆる「アルティンの一般相互法則」は、アーベルな場合のL関数と、アーベルとは限らない場合のL関数が、アーベルな場合は一致しているはず、ということで生まれた予想、という話を聞いて、「へー」と思った時と似た感想を覚えた。「数学まず理論ありき、実例はついで」という考えもあるようだが、「まず実例ありき、それから理論」というのを改めて感じさせられた日だった。小生の2ページの論文(小生の一番お気に入りの論文)も、実験で出たデータを見て、「うん、これはそうだ、そうに違いない」と足掛け2年(12月30日から1月2日)で証明したことが元に成っている。うん、みんなまず実験しよう。そのためにうちでは「実験数学」という講義(演習?)があるわけだし。

「懇親会」という名の宴会が研究集会には付き物。1次会では日本酒のイロハを教わってきた。うん、奥が深い。で20時頃に終わりになったので、2次会を是非、という同士(昭和40年代生まれの40代)が5人集まって、去年入り損ねた串揚屋に入ってみる。うん、旨い。そもそも1次会はビールがアサヒだったのが不満だった人の集まりだったので、まずエビスビールで乾杯。その後焼き鳥をつつきながら、お互いの大学の情報交換。大学によって色々違うもんやね。こういう情報は「夜の研究集会」でないと交換できないので、大変有意義である。楽しかった。ただ去年は吞みながら日をまたいだのに、今日は11時でお開きに成ってしまった。まあ明日の話も聞きたいからいいんだけど。(というか、宿にチェックアウトで追い出されるから、2番目の話からは最悪聞ける。)

で宿に戻って、パソコンの電源を入れて、インターネット接続。メイルを読む。小生が楽しく整数論をやっている間に、数学と物理の学生と教員で、うちの職場の生臭い話についての意見交換が行われていたらしい。教員が危機感を抱いているだけでなく、学生も危機感を抱く、というのはいいことです。「どうせ4年いたらおさらばさ、ふっ。」とかいうのもクールでいいが、自分の母校を守ろうという熱意の表れも素晴らしい。次回は1月6日らしい。参加させてもらおうかな。

で気付けば日が変わって20分以上経っている。「夜の奉行」はもうちょっと起きているつもり。尾台先生ごめんなさい。