2015年10月11日日曜日

「象の卵」との格闘終わらず

「象の卵」との格闘は終わった、と思ってたんだが、事務の人から大量の駄目だし。まあその通りや、という場所多数。もうちょっと格闘は続くな。

せっかく「象の卵」から解放された、と思ったので、今日はCSの観戦と飲み歩き。一応両リーグに応援してるチームはあるんだが、今日はどっちも負けた。うむ、いかんぞ。大谷、大丈夫か?

でまあ野球と「象の卵」以外にもやることがあって、凌いできた。うちの付属高校の一つは、「卒業研究」としょうして、ポスター講演をやらせるらしい。で1名が小生のところに回ってきたんだが。4で割って3余る素数の無限性なんて、背中かきながらでも出来る。4で割って1余る素数の無限性も眠ってても出来る。でいざ学生に読ました本の、平方剰余の第1補充法則の証明がえらく難しい。学生も分からないという。とりあえず「まあ、数学の証明なんて、一歩ずつステップを踏んでいけば、どうってことないよ」と無責任に帰したんだが、なるほど、第1補充法則は「元の位数が群の位数の約数」という大変高度な補題を使わないと証明できない。多項式の割り算の原理、剰余の定理などは高校のカリキュラムでいささかいい加減な形で述べられているが、整数の割り算の原理ってどこで習ってるんやろ?まあ毎年3回生にはきちっと数学的帰納法を用いた証明を教えていますがね。

そうそうノイキルヒ(梅垣訳)「代数的整数論」丸善、が出版される前に、随分ゲラ刷りを読んだんだけど、ウィルソンの定理を用いた第一補充法則の証明、というのを初めて読んだ。第1補充補足はZ/pZ の乗法群が巡回群である、という難しい定理を使わないと証明できない、と思っていたんだが、ノイキルヒの本ではいわゆる「ウィルソンの定理」の系として第1補充法則を証明している。楽しい。数学の楽しみの一つは、定理の新しい証明に出会うことである。そういう意味では、ノイキルヒの本と出合ったことはいい経験だった。小生のお世話になった先生(≠足立先生)が、「ノイキルヒと電車の中で2人きりで話したのはいい思い出だ」と言っていたのを思い出す。