2016年11月16日水曜日

Mordell 方程式の整数解(2)

水曜日は盛りだくさん。まずは「代数学II」。正規拡大は難しいので、時間を結構取られる。でようやく分離拡大に来週から入れる。「分離拡大の上に分離拡大を乗せるとまた分離拡大」は凄く難しいので、毎年がっつり省略している。結果だけは紹介するがね。ガロア理論を理解するためには実は不要。一回やればわかる。

で午後は院生に代数体の講義。分数イデアルを導入して、分数イデアルの全体が群をなすことなど。他にも割り切れる <=> 含むなど。ここいらまで来ると整数論は面白いんだが、如何せん準備に時間が掛かりすぎるのと、代数の抽象さにうんざりしてしまうのが難点。専門は代数、ということに分類されてしまうが、代数ははっきり言って好きじゃない。やっぱり整数論を専門、と言いたい。が、最近は整数論の抽象さにうんざりしている、という節があるが。

で昼休みは具体的なことをやろう、ということで y2x3-11 を解いてみた。もちろんこんなものは KASH に Integralpoints(-11) とか、Sage に E=EllipticCurve([0,-11]); E.IntegralPoints() と打ち込めば一発なのだが、それだけでは面白くない。まあ何かの時の example にしようという腹があるのだが。で出来た。昨日の晩 Sage にやらしたのと同じ結果。当たり前だが。ただこれ結構面白い case。整数点は (3,±4), (15,±58) だけなのだが、何と Mordell-Weil 群が <(3,4)>×<(15,58)> で Z×Z と同型。大概の本に出ている y2x3-2 は rank 1で、y2x3-5 に至っては無限遠点以外の有理点すら無い。ということで y2x3-11 は貴重な例。いつかどっかで使う。

 講義後は会議。毎週よくこう議題が出てくるものだ、という感じ。今日も相撲を見られなかった。(大学を出たのは17時50分頃。)明日こそ見る。今日の結果?まだ知らない。今 NHK のニュースを見ているところ。もうすぐ結果を教えてくれるだろう。