2017年5月22日月曜日

講義室に冷房入る

今日は例に寄ってきつい月曜日。で「数学III」の講義時に、暑いのでシャレで冷房のスイッチをひねってみたら、何と冷房が動いた!これはいいぞ、というわけで HML の M にセットして、快適に講義。行列が正則であることの同値条件をいくつか挙げて、それを証明。その後逆行列の計算法など。時間が10分ほど余って、そこから行列式の章に入るわけにはいかないので、正則でないことが簡単に分かる行列を例に挙げて、正則でないことを講義内演習として証明させた。案外苦労していたり、間違えている答案もあった。こんなんで来週から行列式に入ってしまうが、大丈夫なんだろうか?まあ大丈夫じゃないでしょうね。ただ同僚の「線形代数って4年間で理解するものだから」という一言を心の支えにすることにする。

で「数理科学特論2」。今度の部屋は冷房が入らない。何故か。まず原則として当大学の決まりでは6月の半ばまで冷房は入らないことになっている。が、5月でも講義室が30度を超えると冷房が入る。「数学III」をやっている部屋は南向きに窓があるので、暑いのである。「数理科学特論2」は窓が北向きなので、かろうじて30度に届かなかったらしい。で暑い中ヒルベルト記号など。Explicit formula とそこから導かれる系をいくつか紹介したところで時間切れ。来週はそれらを証明する。系の中に局所類体論のおもちゃがあるのだが、やはり整数論の講義をやっている以上、「類体論」の名前と高木貞治の関係を伝えておかないのはまずかろう、ということで言っておく。「高木貞治」を知らない数学科出身の学生は少ないだろうが、「類体論」は知らない学生の方が多いだろう。よくないことだ。あ、小生の早稲田の同期生は、皆「類体論」というキーワードだけは知っているはずだ。なぜなら1年生の時に「数学概論A」という科目を足立恒雄先生が担当していて、先生の御本「類体論へ至る道」が教科書になっていたから。もちろん足立先生が本通りに進むわけはなく、何となく騙された気分がしたもんだが、後になると随分助けられたし、よかったと思う。再販されていることだし、まだお持ちでない方は是非ご購入を。