午前中は留学生数学。少しペースを落としてるお陰か、あまり汗をかかずに済むのでいい。ただ、∀t∈[0,1] とか ∃x∈[0,1) と書かないでやろうとしているので、結構辛い。もう∀も∃も∈も教えようかな。
午後は高校生の相手。うちの宇治高校は高大連携に熱心で、高校生に「卒業研究」と称して、大学の教員に相手させるということをやっている。数理には2人斡旋依頼が来ていて、一人はY富先生が「ルービックキューブを群論で理解する」ということを、もう1人は小生が「素数分布を初等整数論で理解できるところまでやる」みたいな感じ。で等差数列中に素数が無限個存在する、というのは、初項と公差を決めるごとに色々証明が変わって面白いので、いわゆる「算術級数定理」を援用しないで等差数列中の素数の無限性を証明させるのを課題にした。でもそもそも初等整数論を知らないようなので、とりあえず合同式とフェルマーの小定理、平方剰余記号の第1補充法則、第2補充法則など教えておく。あと
西来路文朗、清水健一「素数が奏でる物語」講談社ブルーバックス
を薦めておくと、「あ、それ持ってます」とのこと。よい心がけです。後は参考文献に書いてある本を当たったり、整数論を専門にしていた先生がいたら質問してみます、とのこと。「僕にいつメイルをくれてもいいから」とも言っておく。
で高校生相手にも∀、∃、∈を使わないでずっと話してた。しかも自然数の全体をNと書くことも有理整数全体をZと書くこともしなかったから、大変だった。一回うっかり a|b と書いてしまったので、これだけは説明しておいた。ただし、∃c∈Z s.t. b=ac と書くのが気が引けたので、これも「aはbの約数と言う意味ね」で済ましておいた。やっぱり数理の学生相手に数学の講義をするのは楽だ。ただすごい量汗かくんで辛いけど。