2020年12月9日水曜日

論文に解なしと書いてあった方程式に解を見つける

水曜日は1時から「数論序説」のゼミ。一旦10時過ぎに起き上がったんだが、まだ頭がフラフラするので、もう一度横になって、12時半に起きた。体調はばっちり。今日は Minkowski の定理。前の節でやった格子とか平行体の体積の計算とかが役に立つ。Minkowski の定数が2未満ならば類数1とか。で類数1の虚二次体は決定されているが、その9つが実際に類数1であることを示す問題が出ている。全部同じようなもんだから途中でやめさせればよかったが、折角やってきたんで全部話させる。その後は幾つかの実二次体が類数1であることや、類数が2以上の虚二次体の無限族を作る問題もあった。で後で気付いたんだが、類数1の実二次体の無限性はまだ分かっていないとか、類数2以上の実二次体は虚二次体の場合の符号を変えても出来ない(もっと素因子の個数を増やさないといけない)とか言い忘れた。まあいいや、進学する学生はいないんだし。3時半前に終了。

4時半から会議。今日は超短時間で済むのではと期待していたが、45分くらいは掛った。まあ短時間の部類。学生に博士号を与える件で、ちょっと手続きに不備があった。まあ大丈夫そうでよかった。

で6時過ぎから論文読みを始める。今日は Introduction だけ読もう、と決めていて、読んだ。で例が出ていて、その方程式は解が無いと Grinstead という数学者が示している、と成っていて、本当にそうかと思って計算したら真っ赤な嘘。解があるじゃないか。それを納得するのに随分時間を食った。細かい計算ミスが大量にあったから、それを Maple で確かめようとして挫折して、もう一度手計算をやり直すなど。いやいや、嘘がわかってよかった。何かの時にこの例を使おう。でノートに整理して11時くらいまで。やれやれ疲れた。これだから論文読みはたまらん。

明日は1時からゼミだから、今日の夜更かしは程々にする。これ以上論文を読むと寝られなくなりそうなので、今日はここまで。本体部分は明日以降。明日と断言しないのが弱いところ。体調によるね。体調悪いと数学の勉強なんて出来ない。やはり酒を呑まずにばっちり深い眠りを取らないと。ということで今日も当然酒抜きで。

昨日の書きようを見ると、Tokyo J. Math. なんかちょろいぜ、と書いたように見えてしまう。いやいやそんな積もりは毛頭ない。ただ小生の修士論文を掲載してくださった「懐の深い journal」と思っている。言い方を変えただけ?うん、まあそうかな。もちろんいい加減にやっているなどとは毛頭思っていない。今回も referee は本質的に論文を変える助言を下さったし、editor の方も論文の間違いを指摘してくれた。で昨日のメールには「ピリオドが無い文章がある」という指摘があった。凄く細かいところまで丁寧に見てくださる journal である。数学会で表彰された journal でもある。皆さんも是非投稿を。