今日(昨日ね)は「数学文献を読む会」というのが茗荷谷の共立出版で行われるので行ってきた。共立出版は、茗荷谷駅から1分、という情報を仕入れていたんだが、どっちの改札口から出るか、正しい改札口で降りたとして、右へ行くか左へ行くか、というのをちゃんと調べていかなかったので、改札を出て右往左往。仕方ないので足立先生に電話する。足立先生は一瞬で現れる。「ここが春日通だよ。右に行って1分と言っておいたじゃないか」と突っ込まれる。いやいや、面目ない。
で共立出版に着いてみると、聴衆は存外多数。今日は慶応の栗原将人氏による「Gauss とその相互法則への道」という内容。一応氏の「ガウスの数論世界をゆく-正多角形の作図から相互法則・数論幾何へ」(数学書房)に多少目を通していったがやっぱりライブで聞くと迫力が違う。相当面白かった。ガウスは正17角形の作図にいわゆる「ガウス周期」を用いたが、それは平方剰余の相互法則やその高次化に使っているというのは新鮮だった。ただやっぱり舌を巻いたのは、ガウスは素体だけでなくその拡大体も扱っていたこと、そして有限体の有限次拡大に対するガロア理論も知っていた、という内容。この辺をラテン語の元論文に当たってみてきた、というのは凄い。しかも、ガウスは全部 Z[x] の言葉で書いているんだが、これを有限体の言葉に直してしまうなど、講演者の途轍もない数学力は驚いた。さすがは岩澤理論の第一人者。やはり、数学というのは広く浅くではなく、狭く深くやることが大事だと再認識した。広くやるのは歳とってからやればよい。やはり若いうちは一つことを徹底してやらないといけない。うん、ためになった。氏の本は、山科に戻ってからゆっくり読もう。
終了後は近所のファミレスで食事をしながら数学談義。これもまた為に成る。有益な一日だった。私費出張の元は十分取れた。うん。
そうそう、終了後「加川さん?」と声を掛けられた。誰だと思ったら、昔一緒に色々勉強した鈴木さんではないか。あらびっくり。聞くと「文献を読む会」には毎回来ているそうだ。鈴木さんは数学のプロではないので、浅く広く楽しんで勉強している。だから色々な話を知っている。が、やっぱり深みが足りない感じ。まあプロじゃないからね。小生はプロだが、何も知らない。多いに恥じるべきだ。もっと勉強するぞ。
さて、帰り道で野球の結果を見たら、にっくき Giants 相手に快勝。まだ最下位ではあるが、3位 Giants まで2.5差。む、CS行きは諦める必要は無いな。明日も Giants 相手。勝つぞー!