で1時から楕円曲線のゼミ。Lutz-Nagell の定理の紹介と、good prime に対し reduction map が単射準同型写像になることの紹介、及びそれらを用いて具体的に Q 上の楕円曲線の有理捩れ点を決定することなど。今週は忙しかったらしく、予習が少なかったようだ。2時半くらいに終了。まあいいでしょう。ゆっくりやりましょう。
ゼミ中に眠くなってきた。睡眠は十分ではなかったようだ。で2時間ほど横になる。相撲は途中から見始める。今日は大栄翔も正代も勝った。が、朝乃山が照ノ富士に負けた。これで2敗がトップで、3敗がいなくなった。優勝争いは2人に絞られたな。明日は正代は隆の勝と、大栄翔は竜電と。どちらも楽しいな一番だ。
相撲終了後レポートの採点。途中食事休憩を入れながら、数時間。案の定出来は悪い。√2∈Q(√(1+√2)) を証明せよ、という問題は誰でも出来るだろうと思ったらさにあらず。何やら「Q(√2) が Q(√(1+√2)) の部分体であることを示す」という怪しげな解答を書いているレポートが多数。で彼らのやっていることは、Q(√2) が四則演算で閉じることを示しているだけで、一番大事な Q(√2)⊂Q(√(1+√2)) を示していない。これを示すことは即ち √2∈Q(√(1+√2)) を言うことになるわけで、何を示すべきか全く分かっていないことになる。で遠慮なくバツ。答えは式を一つ書けばOKで、そう書いているレポートも一定数あった。他に多かったのは、X4-2X2-1 が Q 上既約であることを言うのに、「可約だとすると、(X+a)(X2+bX+c) または (X2+aX+b)(X2+cX+d) と分解される」というもの。4次式が1次式×2次式と分解されることを不思議と思わないのがこちらとしては不思議。こういうことを考えているようでは数学など理解できるわけがない。他にも「Eisenstein の定理より既約」として、どう Eisenstein の定理を使っているか全く書いていなかったり、Eisenstein の定理を全く違うことに使っている答案など多数。謎だね。もう一つ。集合 {a+b×2^(1/3)|a,b∈Q} が通常の加法、乗法に関し体でないことを証明せよ、という問題。多い解答は「(a+b×21/3)×(c+d×21/3)=ac+(ad+bc)×21/3+bd×41/3 となり、積で閉じていない」というもの。これは見た目で閉じてないように見えるだけで、本当に閉じていないことを示す必要がある。例えば 41/3∈{a+b×21/3|a,b∈Q} として、1,21/3,41/3 が Q 上一次従属になってしまい矛盾、などの証明が必要。
ちょっと長くなったので、段落を変える。数学をやる時は、何を示すべきかがわかっているのが重要。示す方法は汚くて構わない。一生懸命持っている道具を使って示せばよい。何やら概念や言葉をもてあそんで頓珍漢な解答を書くよりはるかによい。わかるかな学生諸氏。このブログを読んでいる学生がいると仮定してこんなことを書いた。いなくてもいいや。言いたいことが言えてすっきりした。
さて、いつまでも過ぎたことを考えていても仕方ない。来年度のことを考えよう。ということでこれからシラバス書き。確か2月7日締め切りだった。まだ時間がある。ゆっくりやろう。