2021年11月29日月曜日

橋本喜一朗先生の思い出

昨日はちゃんと12時くらいには寝られた。が、あまり疲れていなかったからか、6時過ぎに目が覚めてしまった。腹も減ったことだし、早起きしよ、ということで起きた。で何を食ったかと言えばインスタントものなんだが。9時45分くらいに住処発。

ちゃんと10時20分には職場に着いていた。ちょっと生協の本屋を冷かして時間潰し。10時45分から「代数学II」。今日は Q(√(5+√5))/Q が4次の巡回拡大であることを証明して、中間体は目の子で見付けた3つ以外には無いことを軽く説明。その後 C の部分体 K に対し、K(ζn)/K がアーベル拡大であることを証明、その後 K=Q として n=p を素数とすると、ガロア群が (Z/pZ)* と同型となることを証明。素数でなくてもOKなことは述べておいただけで証明しなかった。最後に Q7)/Q の中間体を全て求めたくらいで時間。来週は3次方程式と4次方程式の解法に軽く触れて、5次方程式の非可解性に突入する予定。いよいよわけのわからなかった群論と体論が交わるところ。2年間必死に苦しめられた代数学が華を開く。やってる方は楽しくてわくわくしてるんだが、聞いてる方はどうなんだろう?まあ8人しか出席者がいないので、聴衆のことは気にしない。こっちが楽しければいいのだ。先生が楽しそうにやってると聴いてる方は楽しくなる、というのが経験則である。

で思い出したのだが、昨日「早稲田数学会」からメールが来ていた。会報が届いていたのだが、大抵は忙しさに紛れて忘れてしまう。が、昨日は珍しく見る気に成ったので見てみた。すると、この3月で定年退職された橋本喜一朗先生の手記が載っていた。橋本先生はいつも数学の話をする時すごく楽しそうだった。未だに小生が整数論を楽しくやっていられるのは橋本先生が楽しく話してくれたのが大きい。「ものすごく面白いんですよ」は橋本先生の口癖。立命館に就職するきっかけを作ってくれたのも橋本先生だった。足を向けて寝られないね。一時早稲田には、足立恒雄、小松啓一、橋本喜一朗、三宅克哉と、4人の整数論のビッグネームが同時におられた。その頃に学生をやっていた小生は何と運がよかったんだろう。助手の制度には助けられたが、それを作ってくださったのは足立先生。小松先生と三宅先生は何かと励ましていただいた。楽しかった。学生にそれをあまり分配できていないのが心苦しい。まあうちには数理ファイナンスという大きな柱があり、それを学生が甘受している。早稲田における整数論のようなもの。整数論はあまり人気が無いが、まあいいでしょう。

橋本先生は研究室のある17階まで歩いて登られていた。小生はというと6階までエレベーター。うーん、鈍ってるね。まあ月曜日の講義は3階で、エレベーターが建物の入り口からちょっと離れていて1台しか無いから、3階まで歩いている。もう着いた頃には息が上がっている。もっと鍛えないとあきまへんな。

講義終了後は町中に食事に出掛ける。昔「天下一品」のあったところに「めいさん」というカレー屋が出来ていたんだが、一遍行ってみたかったので行ってみた。初回だから辛さは普通にしたんだが、ちょっと物足りなかった。4辛を頼んでいる人がいた。今度は1辛にしてみよう。戻ってきて時間割練り。一つ問題点が解消した。が、一つ解決しそうだった問題が暗礁に乗り上げてしまった。仕方ないな。こうなったら人事の結果を待つしかない。どうにかなりますように。結論は明後日出る。いや正確に言うと教授会を通って、大協(って何?って。いや小生もよく知らない)を通って本決まり。無難に行きますように。