2022年10月5日水曜日

今日から虚二次体の章に入る

昨日は寝不足だった。でこういう日は阿保のように眠れるんだが、昨日はよく寝られなかった。5時半くらいに目が覚めてしまう。で飯を食べて、そのまま起きて居よう、と思ったんだが、さすがに無理。少々寝る。寝不足なのには変わりないが、まあ居眠り運転やゼミの監督を居眠りしながら、とは成らない程度には寝た。

今日のゼミは平方剰余の相互法則のもう一つの証明。ルソーという人に依る証明らしい。面白い。どうしてこういう証明が出来るのか知らないが。数学って、自分でオリジナルな証明を考えるのも楽しいが、人の数学を鑑賞するだけでも十分楽しい。バイオリンが演奏できないからってバイオリン協奏曲聞いちゃいけない、なんて言う人はいないだろう。数学にも楽しみ方というものがある。が、それで小生は食っちゃいけないんだ。何でもいいからオリジナルなものを考えないと。ということで辛いのだが。その後虚二次体の章に入り、整数環の決定など。今日は Q(√-d)(d>0 は square-free で、d≡1,2 (mod 4)の場合)の整数環の決定や、d=1,2 の場合に整数環がユークリッド整域になることなど。整数環の決定の時に、「a2+b2d≡0 (mod 4) なら a,b は偶数」を示すのに一生懸命「a=2n+1 と置いて」とやり始める。偶数の2乗は mod 4 で 0 と合同、奇数の2乗は mod 4 で 1 と合同、ということをやったので、それを使えばよい、と指摘してやらせる。簡単にできる。何でも1からやらないといけないわけではない。やったことはどんどん使おう。次回はユークリッド整域がP.I.D.であることや、P.I.D.はU.F.D.であることなど。その後は素数の素元分解の様子がルジャンドル記号でわかることなど。類数が1でない場合はもうちょっと先かな。金曜日のゼミはイデアル類群どころかまだ整数環も出ていない。ガロア理論なんかとっとと終わらせよう。

その後会議を短時間やって、来週の代数学IIの作戦練りなど。今回は演習問題を真面目に考えた方がよかろう、ということで(何故?)、考える。講義の順序では正規拡大、最小分解体、標数、分離性、と成っているが、演習問題は最小分解体が最初に出てくる。これはまずい、ということで並び替え。他にも「これ出来るの?」という問題があったが、講義ノートをきっちり読んで証明を理解すれば出来る問題だった。学生にありがちなのが、定義も見ず、定理も見ず、見ても証明を読まず、なんかグチャグチャといじり出して間違い、というパターン。定義から一瞬、とか定理1の証明を真似すれば一瞬、ということが多いんだが。入試の弊害でしょうか?もっとキッチリ数学をやる習慣を付けた方がいいでしょう。標数の問題に有限体の諸性質を証明させる問題を付けてあったんだが、ちと難しかろうということでガッツリ消した。どうせ講義で有限体をやる時間があるし、無理に演習でやらなくてもいい、ということで。毎週演習問題を出す、というのはちょっと無理そうなので、焦らないことにした。まあ本を数冊見て問題を漁るくらいのことはする。それで毎週に成ればそれはそれでよし、ということで。

そろそろ卒研ガイダンスをどうしよう?とか話し合うシーズンに成ってきた。今年は小生が仕切り役なので、色々準備しないと。取り敢えず去年使った資料を前任者からいただかないと。ということでこれからメール書き。面倒臭いな。明日にしようか?とやると明日も同じことに成る。最低限のことはします。はい。

ノーベル賞のシーズンである。自分のやったことを説明出来る、というのはいつも羨ましく感じる。まあそれでも小生が最近やっていることは、一部でも話せるが。博士論文でやったことは、一言目から理解してもらえないだろう。タイトルの意味が分からないからね。Elliptic curve って?Good reduction?Real quadratic field?まあ卒研で使っている本を一冊終えれば、elliptic curve と real quadratic field は理解出来る。Reduction もどうにかなるかな。でそれを理解した学生が就職した先で質問されたとせよ。彼はまた同じ目に会うわけである。数学は辛いのだ。それでめげない精神力を付けるための修行と思ってやってください。はい。