2023年7月3日月曜日

個研室の冷房がエラーメッセージを吐いて、涼しくならない

今日は9時10分過ぎに起きた。しばしボーっとするが、あまりゆっくりはしていられない。9時50分くらいに住処を出る。職場に着いたのは10時20分くらいなので、ちょっと生協を冷やかす。

10時40分から「線形代数学」。今日は冪零の場合のジョルダン標準形の存在。ここ数日一生懸命やって、池田氏の本や三宅「線形代数概論」のお陰でよく分かるようになったので、自信を持って講義した。で一意性をやる前に計算例をやった方がよかろう、と判断して、講義の順序を入れ替えた。まあ一意性の証明をまだちゃんと理解出来ていないので、時間が欲しいこともあったが。丁度例を計算し終えたところで時間。

昼飯は「ビッグボーイ」でハンバーグ。この前「ふなごや」のことを書いたが、考えてみれば「ビッグボーイ」に行ったことは無かった。早稲田の周辺では「でかお」とか言って、随分悪口を言われていたので、どんなもんだろう?という興味もあって。で食べたが、成程、この程度の味か、と言う感じ。もう行かなくてもいいや。今度は「ガスト」でハンバーグを食べよう。

1時10分過ぎに個研室に戻ってくる。暑いので冷房を付けるが、あまり涼しくならない。何でだろう?と思っていたら、何やら来客。小生の個研室の冷房がエラーメッセージを吐いてるらしい。一旦電源を落としてもう一度入れたらエラーメッセージは消えたそうなので、帰られた。その後、相変わらず涼しくならない。で冷房の電源を見ると、エラーメッセージが出ている。暫くするとさっきの人が来た。やはりおかしいらしく、クレオテック(大学が出資してる子会社で、学内の雑事全般を取り仕切っている会社)に頼めば扇風機くらいは貸してくれるかも、と言ってた。うー、つらい。まあ風は出ているので、回しておけばいいかと。

でそんな中、冪零の場合にジョルダン標準形を求めてみた。講義で話した通りやれば出来る、という確信があったが、まだ完全に理解していないことが分かった。それでも何とか答えは出た。SageMath はジョルダン標準形を求めてくれる。で帰ってきた結果は、1である成分が一つで、他は0。何か間違ったか?と思ったら合ってる。J(0;2) 一つと J(0;1) 二つの直和(J(λ;m) で固有値 λ の m 次ジョルダン細胞を表す)っていうのが手計算の結果だが、J(0;1) って1行1列の行列 (0) のこと。J(0;2) は(1,1)成分のみ1で他が0、という2行2列の行列。苦労して計算して、0が大量に吐き出されてくるのは、正直ちょっとがっかりだったが、まあいいや。 学生向けの演習問題に入れておこう。もういくつかやりたかったが、4時を過ぎていた。ということで、一つで終了。また気が向いたら後日やるということで。

4時20分からゼミ。今日も色々問題あり。写像の定義をしないで議論をする、という学生は一定数いる。試験の答案で「写像 f:R1 → R2 を考える」と書いて定義せず、それで像や核が求まったり、同型であることが示せたりするものがあったりする。何故そんなことが出来るのか、皆目見当が付かん。それに忘れちゃいけないのは、R2 への写像なんだから、結果は R2 に属していないといけない。それを確認しない学生が大多数。今日もそんな感じで1ページくらいしか進まず、(0) でない分数イデアルの全体が群に成ること、(0) でない単項分数イデアルの全体がその部分群に成ることを示せた。でイデアル類群を定義するのか、と思ったら、力尽きたらしい。まあ今日の出来じゃ続きをやったところで悲惨な結果に成るのは目に見えているので、やめて正解だと思う。7時半まで時間は取ってあるが、7時くらいに終了した。

ちょっと用事があるので、時間が出来てむしろ助かった。メールを見ると、事務の人が心配してメールをくれていた。「明日の11時までですが、大丈夫ですか?」と。大丈夫なので、その旨メールを書くも、もう帰られているだろう。事務作業をしばし。最近は何でも自動化されているので、あまり考えなくても大丈夫。考えるのは数学だけにしたい。9時前に終わらせて、「格納しました。ご確認を」とメールしておく。その後学生向けの演習問題(誰も解かないが)をアップしておいて、9時過ぎに職場を後にする。

この前 Facebook を見ていたら、「小学生に特殊算を教えるのは必要か?」みたいな記事が出ていた。書いているのは「必要」という人。脳味噌を鍛えるのに是非とも、という意見だった。コメントしている人は「あんなものの為に表で遊ぶ時間や睡眠時間など、随分削られている。方程式を教えればあんなものは知らなくても解けるから不要!」とのご意見。どっちの言いたいこともまあ分かる。小生中学は公立に行ったが、親に塾通いを強いられ、お受験組と一緒に勉強させられた。確かに鶴亀算は嫌だった。今解説を見てみると、非常に平易なことをやっているのが分かった。あの「全部鶴とせよ」という手筋を、何の説明も無く覚えさせられるのが、嫌われる原因。必要という人の意見は、色々実験させよ、という意見。そうです、全部鶴とするのでなく、当て勘で答えさせ、そこから鶴と亀を取り換えるたびに足の本数がどうなるか?というのをさせればよい。で、当て勘は難しいでしょ?だから極端な場合を考えて、そこから調節していく、ということを分からせるのが大事。そんな時間は無い?そうです、問題はそこ。小学6年生に受験させるために知識を詰め込み、所定の時間内で点数をある程度取る、そういう訓練はよくないです。それの為に遊ぶ時間が減るのは確かに問題。勉強=点数を取る仕事、という図式が出来ているのが不幸。昔講義で「1次独立」と書いたり「一次独立」と書いたりごちゃ混ぜにしていた時があるが、学生から質問があった。「どっちでもいい!」と答えておいた。彼にしたら点数が心配なのだろう。ただ、その学生はそういうの関係無く無茶苦茶出来た。講義終了後にその日の講義の内容を質問してくる。そういう学生でも減点を気にするのは不幸。ゼミでいつも「その a っていうのはどっから取ってきたの?」と突っ込んで書かせているが、それを小生が文句言ったから書いた、というのはおかしい。分かるためには元はどこから取ってきたか分からないと困るから言ってるのだ。目的は先生を満足させることではない筈。自分が分かろうという意識がまず大事。そう思って本を読めば、ギャップがどこにあるかすぐ気付き、証明しないと気持ち悪くなる筈。「減点」より「分かりたいという原点」が大事です。

長くなった。明日は12時くらいに職場に行かないといけないので、今日は無理せず寝る。明日は背広を着ていかないといけないのだが、天気予報によると明日は目茶目茶暑いらしい。京都は37度とか言ってた。個研室の冷房がいかれているとは書いた通り。暑い中会議に参加して、終わったら冪零の場合のジョルダン標準形の一意性と、冪零とは限らない場合のジョルダン標準形の存在証明をきっちり理解、それから教授会、その後勉強の続き、と思っていたんだが、冷房の具合と学科長会議の終了時間によっては、学科長会議終了直後に職場を出よう。

今栗山英樹監督とトム・ホーバス日本男子バスケ代表監督が対談している。「信じる」が共通の信念。『信』は『人が言う』と書く、というのは何とも含蓄のある言葉だった。小生も少し信じてみよう。まあ裏切られるんだろうけど(もう既に信じてない)。